放課後はいつも通りにやって来て、私は少し憂鬱な気分で凛月について行った。
ついた場所は公園だった。
「...?凛月。公園で何するの?」
「...何となく、来てみたかっただけ。懐かしくない?ここ。」
周りを見渡してみれば、小学二年生の時、よくここで凛月と遊んだ記憶が蘇ってきた。
「懐かしいね。まだあの頃は小さかったなぁ」
「だね。それに......素直だったし」
「そ、そうだね...」
なんだろう...この...凛月の顔は...嫌だ
怒っているわけでもなく、笑ってもない
すべてを諦めているような顔
「え、あの。...ここじゃないとこ、行こうよ!ほら、前に話したケーキ!食べに行こ!」
「いいよ。」
「うんっ!!」
話を変えたのはいいけど、続かない。
いつもこんなに...
長い長い沈黙の中、いつのまにかカフェについてしまっていた。
あー、まぁケーキ食べれば、この雰囲気もかわるはず!!
...そう思ってたのに
「...おいしいね!」
「うん」
「オレンジジュースのみたいなぁ」
「そうだね」
さっきから、ケーキ一口食べて、やめてしまった凛月
なんで......??
「...あのさ、朱理。最近どうしたの?何か隠してる?」
「えっ?ううん!!なにも??どうして?」
「はぁ...ごめん。なんか、ちょっと気、使われてる気がして」
「そんなことないよ!」
「そ...?でも、私は何でも話して欲しいから」
「...何でもって、話せないこともあるでしょ?」
「え?」
「何でもかんでも話せるわけないじゃん!!なのになんでそんなに聞いてくるの!?意味わかんない!!」
私は場所も何も考えずに、凛月に怒鳴り散らした。
何も悪くない、凛月に。
「あっ...ご、ごめん...」
「ううん...ごめん、ちょっと今日は帰るね」
「えっ」
「じゃあ、お金払ってくから。私のおごりで」
「ちょっと待って...っあ」
私は勢い余って、運ばれてきた水をぶちまけてしまった。
制服もびちょびちょ。
視線を戻すと、そこにはもう、凛月はいなかった。
お店の外に出ると、結構ザーザーと雨が降っていた。
あぁ、よかった。
この濡れた制服をごまかせる。
そう思って、カバンの中にある折り畳み傘の存在に気づかないフリをして
家まで走った。


