少し肌寒くなってきた、秋の中頃。
まだ、凛月に言えないでいる。
体育祭も終わり、学園祭の時期が迫ってきているのに
「朱理、学園祭、何するか決めた?」
「うーん...簡単なやつがいいなぁ」
「そうだよね。...ねぇ、上村とはどうなの?」
「あっ...うん。まぁまぁ...かな?」
「へぇ〜...そっか」
最近、よく上村とのことを聞かれる。
私のクラスに上村くんが毎日のようにくるからだ。
ほかのクラスメイトも、みんな不思議になってたまに聞いてくることもある。
そんな時は
『ただの友達』
と言っている。
“ただの”ではないのに。
告白されているのに。
本当に私は、“ウソツキ”だ。
「...り? 朱理!!」
「うわぁ!な、なに??」
「もう、話聞いてなかったの?今日の放課後、遊ばない?」
「うん!いいよ?」
「うん、じゃあまた後で」
チャイムがなる数分前には席についた私たちは
やることも無く
ただ、ボーッとしていた


