「朱理〜何、項垂れてるの?」
「だって〜カッコよすぎるんだもん〜」
「誰が?」
「誰って、上村くんだよ、上村くん!!はぁ〜」
「いや、ため息つかれても...」
高校一年生の春、私はイケメンで優しくて面白い上村秋音くんに一目惚れして、それから恋する乙女なんです!
まぁ、告白なんて出来っこないし、した所で...
「朱理なら大丈夫だから、いい加減告白でも何でもしたら?このままだと、朱理がストーカーになりそうで怖い」
「やだなぁ、ストーカーなんてならないよっ!多分...」
「おい」
えへへ、と笑うけど、すぐ近くを同じクラスの男の子が通って、すぐに声を小さくしてしまった。
「...はぁ。まぁ、そんな状況じゃダメだろうけどさ」
「うん...」
そう。私は、男の子が苦手だ。
とくに、チャラチャラしている怖い男子は無理。
入学してからも、数人の男子と会話をしただけ。
もうすぐで秋が来るこの時期までに。
「でも、ほんとに上村くんは好きなんだ...」
顔じゃなくて、性格に
子供に優しくて、困ってる子はほっとかない、自分より先に友達を優先するところ。
全部に100点つけてもいいくらい、大好きなんだ。
「じゃあ、頑張ってみれば?まずは、お友達からとか?」
「......うん、だよね。このまま待っててもチャンスは来ないし、話、かけてみる!!」
「うん、頑張れ。」
この時からずっと応援してくれていた凛月。
でも、ある日
私はとんでもない勘違いをしていたことに気づく。


