悩み続けて数日。
体育祭はもう終わっていて
足も、もう良くなって普通に歩けるようになった。でも...



「朱理?」


「あ、凛月...どうしたのっ?」


「いや、ボーっとしてたから。何かあった?」


「...なーんにもないよっ?あったといえばもうすぐで学園祭ってことくらい?」

「あはは、確かにそうだね」




やだよ...

嘘ついてるなんて、自分でも嫌だよ

でもこうするしかないじゃん

みんなが幸せになるのはこうするしか



チラッと秋音を見れば、こっちを見て真剣な表情をしていた。
すぐに逸らしてしまったけど、罪悪感が心に残ってしまう。



「冬坂さん〜、ちょっと、こっち来てよぉ〜」


「姫崎...やだよ。めんどくさい」


「なっ...あんたねぇ...」



いつのまにか、姫崎さんと凛月は仲良くなってるし、もうどうなってるのかな...



「凛月、姫崎さんと仲良くなってるんだね」


「仲良くはないよ。ただ、ちょっといい子かもって思って」


「えっ、凛月が人を褒めるなんて...何かあったの!?」


「失礼ね。褒めることだってあるよ」



ふざけあってても楽しくない。



嘘をつくことを選んだのは私。



でも、言わなきゃいけない。



じゃなきゃ、秋音が言ってしまう。


自分の口で、言わなきゃ。



でも、言わなきゃって思うだけ、時間はすぎていって
どんどん言いにくい空気になっている。


あぁ、私ってこんなに意気地無かったっけ?


...あぁ、そうだった。



私がこんなに明るくなれたのも


秋音と上手くいったのも


全部全部凛月のおかげだし



私は、前にも、1度嘘をついた。



............あれは、私がまだ一年生の時