体育祭が目前に近づいてきたある日。



姫崎と話してからずーっとモヤモヤしていたんだけど、あまり、朱理が怪我とかしてないから、なくなったんだ!と思ってた矢先



「えぇ!!朱理どうしたのその足!?」


「えへ、ちょっとコケたら、捻っちゃって 」

「捻ったって...すごい腫れてるじゃん」


「うん、これじゃあ、体育祭無理かも...」


「えぇ...でもしょうがないよね...」




足を捻ったのは凄く残念なことだけど、仕方ない。

これ以上悪化するよりマシだ。



「どこでコケたの?ドジな朱理でも流石に何も無いところではコケないでしょ?」


「軽くひどい事言うよね...んーと...階段?」



えっ!?


「か、階段??やばいところでコケたね...ん...?」



まって、これって...


「朱理!!」


「うわっ!何急に大声出して」


「嫌がらせ!!じゃないよね??」


「あ、...うん。もっちろん。ちがうよ!」




最近はもう本当かどうかもわからなくなってるよ...



「ねぇ。凛月」


「どうしたの?」


「.........」


「え?なになに??どうしたの?」




何故かそれから喋らなくなってしまった朱理。
何を言おうとしてるんだろう



「朱理ー?おーいー?」


「...っ私は......凛月に嫌われても友達だと思ってるから」


「...は?何言ってんの。私が朱理を嫌うわけないじゃん」


「...だよね。おかしいよね。あはは、さっきの忘れて!!」


「うん。でも、その足じゃ、帰れないよね...上村に送ってもらうの?」


「うん、秋音に迎えに来てもらうから大丈夫だよ?だから、ほら!凛月は練習行ってきて!リレーの選手に選ばれるなんて、流石凛月だね!」


「そんなことないよ。じゃ、行くね?何かあったら電話でも何でもして?」


「練習に集中してくださーい」


「わかりました〜 」



そういう冗談を言い合い、私はグラウンドへ向かった。



平気そうで良かった。


なんて呑気にこの時の私は考えてた。