凛月side





夏休みも中盤に入った。

私は今日も夏期講習へ行って、その後も図書館へ。

朝昼晩ずーっと勉強して、私の頭はおかしくなりそうだった。


外から帰ってきた私は、家の中の涼しさに歓喜して、そのまま2階へダッシュした。









「はぁー...」



夏休みの課題。残すはあと数学と理科のみ。

どうしても理数系にはあまり手を出せていない


というか、大学だってどこにするか決めてもないし。

まぁ、近くの大学になるんだろうけど


なんて近い将来のことを考えていると、鞄に入っているスマホが鳴った。

...誰だろ?朱理かな?




スマホのメッセージを見ると

私は目を見開いた。



「...如月......?」


“明日午後3時。噴水前で待ってます”の文字があるのは認識できた。


認識できないのは、その意図。

なぜ今更、会おうとするの?

私はもう決めたんだ。

絶対に会わない。会いたくない。



なのに



なぜメールの返信をしようとしてるんだろう


打ちかけたそのメッセージを消し、スマホをベッドに放り投げた。


ボフッとスマホは1回跳ねて、その場にとどまった。



切り替えなきゃ

私は私でやっていくんだから



そう思ってるのに、いつの間にか考えているのは明日のこと。

行かなきゃいい。

行っちゃいけない。

でも行きたいって思いそうになるのが怖い


そんな考えが頭の中で延々とまわっている

いつからこんなにめんどくさくなったんだろ...

前みたいに何も考えてなかった頃に戻りたいよ...って、最近私は後ろ向きな発言ばっかだなぁ

でもまぁ、しょうがないかな



元からこういう性格だし


みんなには猫かぶってただけだし


冷静ぶってただけだし


きっとこんな私を見たら


みんな私から離れてくだろうな


朱理も、みーんな





「私って...友達もいないんじゃん」



私の乾いた笑い声が部屋に響いた。

いや、笑い事じゃないんだけどね

見せかけの友達...かぁ。

朱理もそうなのかなぁ?
私はそう思いたくないな。朱理だけは、お願いだから






......私の味方でいてほしい