帰り、私は朱理と一緒にペアリング...と呼ばれる代物を見に来た。


「ねぇねぇ!これがいいかな?」

「さぁ?」

「さぁって...もうー!」

「ごめんごめん。ゆっくりでいいから、しっかり選びなさいよ」

「分かってるって」

うふふ、と効果音がつきそうな勢いでせっせと色んなリングを見て回る朱理。


「じゃあ、私もあっちの方見てくるね」


私が指を指した方向は、ネックレスが沢山置いてある場所。


うわぁ〜...色んなのあるなぁ
値段も結構するし...
私には買う勇気はないわ...

ショーウィンドウに入っているネックレスもそうだけど
全部がカップルようになっていたりする。

ここはそういう専門店なのかな?



すると、フッと視界に映った人。
お店の外を歩いていった。

きっとあれは、間違いなく...如月と沢田さんだ


私は勢い余って外に飛び出て、後ろ姿を探した。
でも、そこにはもう何もなくて
ただ、行きかう人だかりに飲まれそうになるばかりだった。


「あ!凛月!外にいたんだ。...ってどうしたの?」

「...ううん。別に?買えたの?」

「バッチリ!!今日はありがとうー」

「いーえ、さ、帰ろう」

「う、うん。ねぇ、何かあったの?」

「何も?」


何も無い。何も見てない。


「そう?じゃあ、帰る前に!!前のダブルデートのお礼でアイス奢るよ!」

「え?」

「ほら、前にしてくれたじゃん!だから、あのお礼にアイス、食べに行こ?」



ダブル...デート...か


「ううん。奢ってもらわなくていいよ。自分で払うから」

「え?なんで?」

「奢られるの...あんまり好きじゃないの知ってるでしょ?」

「あ、そうだったね!」

「じゃあ、普通にアイス食べに行こ」

「そうだね!じゃ、レッツゴー!」












_________5分ほどで人気のアイスショップまで来れた。




どれにしよう...

抹茶も美味しそうだし...でも、ストロベリーもいいしな...


「うーん...」

「やっぱり、悩むところだよね...」

「うん、朱理は何で迷ってるの?」

「ストロベリーか、抹茶!!」

「私も!!」

「だよね!......決めた!ストロベリー!」

「じゃ、私は抹茶!!」




注文したら、思いのほか早く来たアイスを外のベンチで食べていた。


「やっぱ、アイスってコーンで食べるのが美味しいよね」

「カップだと溶けた時に垂れてこないから、手は汚くならないけどね」



2人でその後もいろんな話をして、アイスも食べきり、もう6時半。

そろそろ帰ろうと話していた時



「あれ?冬坂さん?と朝日奈さんだ!どうしたの?」

「...あ、沢田さん!あれ?なんで如月くんが?」

「2人で、図書館に行って勉強してきたの」


沢田さんは、2人、という言葉を強調していったように聞こえた。
如月は私とは一切目を合わさず、ずっと朱理や沢田さんの方を見ていた。


「如月くん、私の言ったこと、分かってないみたいだね」

「...え?」


朱理が急に如月に話しかけた...と思ったら
何いってんの?

言ったことって、なに?


「もう、いいよ。如月くんには、あげないから。」

「何...言ってるの?朝日奈さん」

「沢田さんには、関係ない。」

「なっ...そう...」

「ちょ、朱理...もう行こ」

「まだ。如月くんに言わなきゃいけないことが残ってる。」

「もういいじゃん、ね?」

「よくない。...如月くん、ほんっと......ヘタレ」



え!?
あの朱理が怒ってる!?

なんで!?

しかも、なんで如月に?



「朱理...」

「...じゃ、行こっか!凛月!!」

「え、あ、うん」



右腕を引っ張られながら、後ろを振り返ると、よく分からない、と言ったような表情をする沢田さんと、無、という言葉が似合う如月。




私もよくわからなかったけど




なんだかスッキリしたような、もやもやしたような


よく分からない気持ちになった。