帰りのHRが始まって、今は、夏休みの進路説明会について話している。


“進路”という言葉を聞くと、高校生最後の夏休みだと実感する。

課題はもちろん多いけど...
それでも、去年の夏は楽しかったなぁと思う。

ほとんどが朱理と遊ぶことしかなかったけど...ていうか、私って実は朱理以外に友達って呼べる友達...いないんじゃ?


そんな疑問まで出てくるほど暇な時間を過ごしているわけだけど


...夏休みか

今年はきっと夏期講習と家、図書館への往復しかしないだろうな...

あぁ、去年もっと遊んどけばよかった



今更ながら後悔をしている私。


「...では、お待ちかねの.........課題を配るぞ〜」

「えぇー」



先生の一言で我に返る私。
あぁ、課題...教科ごとの課題は少ないものもあれば多いものもあって...正直辛い...

それに今年はそれにプラスアルファーで受験勉強しなきゃいけないんでしょ?


...終わったな。私の青春。



「今年は結構数学が多いな。みんな早めに終わらせろよー?」


周りからのブーイングを受けながら、次の話へ移る先生。

良くかわしたなぁ

なんて、考えていると、絶対に眠くなる説明が...



「夏休みの過ごし方についてだ。去年は......」


先生が長々と喋っている時間はとても生徒にとっては暇だと思うんだけど


極力暇にはなりたくないんだよなぁ


黒板を見ると視界の端に映る学園の王子。


わざと見ないようにしてるのに、黒板見た時にいちいち視界に入るんだよ!

暇になると、あの時の映像が延々とリピートされて、複雑な気持ちになる。

...やっぱり、めんどくさい。


女子との交友関係も


如月との関わり合いも




最初からはっきりと断ればよかった。
曖昧な返事をしたせい。
だから、あの時のことを招いたのも
結局は自分で。
...一番めんどくさいのは私じゃん




「...嫌い......」




ボソッと嘆いた言葉は、誰にも拾われることなく、地面に向かって落ちていった