マネージャーの仕事はたくさんある。
部員の飲み物を用意する、うどんを作る、マシーンの操縦(球を出す機械)などなど…他にも沢山仕事がある。

OFFは毎月3日ほどしかなく、毎日８時頃まで練習があるようだ。

(結構きつそうだなあ)
そう思った。体力にはあまり自信が無い。

しかし、やると決めたらやるしかない！精一杯自分のできることをやろう！そう決意した。

今日は部員とマネージャーの紹介があるため練習は早めに切り上げられた。
はじめに話し始めたのはキャプテンの坂本慎也先輩だ。

「このチームのキャプテンの坂本慎也です！部員20人とマネージャー4人で一丸となって甲子園を目指して頑張るぞ！少しでも気を抜けば俺たちはどん底まで落ちる。そんなチームだ。」

私たちの高校は未だに甲子園に行ったことがない。
あと1歩…ってのは何度かあったらしい。

「俺ら3年についてこい！！どうせなら越してくれたっていい！！今年の甲子園全員で勝ち取るぞ！！」

「「はい！！」」

それから部員１人１人が自己紹介をしていった。自分たちの夢や頑張ることをそれぞれが話していった。

１人気になった人がいた。

「俺はキャッチャーになりたいです。甲子園のグランドに入るのが夢です。」

短い自己紹介だった。
単純っていったら単純だ。
だけど彼の言葉には重みがあった。
消してふざけている訳では無い。
彼の真剣な眼差しに私は目が離せなかった。
なぜだかはわからないが、私は彼の夢が叶うといいな…いや、叶えたいと思った。

彼の夢に少しでも私が力になれるといいな、そう思った。