「はるちゃんが今、全然話してないのって、朝の出来事が原因だよね……?」

「……うん」

「その……私とか他の女子ね、席替えしてからはるちゃんと仲良さそうに話してる五十嵐くん見て、なんか雰囲気変わったねって話してたんだ。変わったっていうのは本当は違うのかもしれないけど……今までずっと怖いって思ってたから、雰囲気柔らかくなったように感じてて」


鈴菜ちゃんの話を聞いて、目を小さく見開く。


彼女は一生懸命に言葉を探して、私に伝えようとしてくれた。


「何より、ふたりとも話してて楽しそうだったから……なんか、いいねって。今の五十嵐くんだったら、怖くないねって話してたんだ。だから今、ふたりがこんな風になってすごく悲しいっていうか……。原因をつくった私が言うのもおかしな話なんだけどね、ふたりにはできたらまた仲良くしてほしいんだ。……ケンカしたわけじゃないんでしょう?」


問いかけられて、『うん』と答えようとして、先に涙が頬を伝った。


それを見て、鈴菜ちゃんがぎょっとした顔をする。