ハルとオオカミ



実際に現実でみんなが拍手をする中、私の横からぼそっと小さな声が聞こえてきた。



「……五十嵐と仲、いーんだね」



……え?


声がした方に目を向けると、ひとりの男子生徒が意味深な笑みを浮かべてこちらを見ていた。


……確か、隣のクラスの学級委員のひと……。


「……それが、どうしたの?」


小声で問いかけると、彼はにっこりと笑って「ううん」と言った。



「結構面白いひとなんだなーと思って」



……『面白い』ひと?

私が? 五十嵐くんが?


「……どういう意味?」


頭にはてなマークを浮かべて、彼を見つめ返す。

だけど彼はそれ以上は何も語らず、穏やかに微笑んでいるだけだった。


それからすぐ別の係の仕事で呼ばれ、男子生徒は私の横から離れていった。