ハルとオオカミ



それから第二走者の二位が女装男子を連れてゴールしたりして盛り上がった後、第三走者がスタートを切った。


私のカメラに、力の抜けた軽い走りで借り物が書かれている紙へと向かっていく五十嵐くんが映る。


やる気のない彼が紙を拾ったのは、第三走者の中でいちばん最後だった。五十嵐くんは少しの間、紙を見つめていた。



「五十嵐くん、何引いたのかなあ」

「なんかめっちゃ考えてない?」

「アハハ、そんなに難しいお題なのかなあ」



クラスの女の子たちが、楽しそうに五十嵐くんのことを話している。去年じゃ考えられなかった光景だ。


私は彼の姿をカメラのレンズ越しに追いかけながら、やっぱり五十嵐くんは目立つなあと考えていた。