ハルとオオカミ



ーー『私も、約束する。五十嵐くんとこれからもこうやっていられるように、何があっても負けないって』


――だから約束したんじゃん。私。私たち。



『格好いい』私たちが、お互いの自由とプライドを守るために。



「……待ってください」


絞り出した声は震えていた。


すでに私に背を向けて歩き始めていた先輩は、顔だけこちらに向ける。



「私は、五十嵐くんに変な影響なんか受けてません。他の生徒もそうです。影響を受けるとしたら、あなたのような人の目も気にせず、堂々と自分のスタイルを貫く強いところ、でしょうか」



私の言葉に、先輩は目を見開いた。私がこんなに攻撃的な発言をしたのが意外だったのだろう。


壊してやる、と思った。

私が私自身で作り上げたちっぽけな虚像も、期待も、すべて。


世界でいちばん好きなひとを守る足枷になるのなら、そんなものはいらない。