私が本当に目指しているのは、自分の想いを誰にも穢されることなく貫けるひと。堂々としていて立派で、気高いひと。
そのことに気づいたのは、五十嵐くんを見つけた瞬間だった。私が本当になりたいのは、彼のようなひとなんだって。
その五十嵐くんが今、侮辱されている。
『優等生』の私を認めてくれていた人に反論するのは、すごく怖い。
私の大事な地位を壊すこと。築き上げてきた平穏な日々を壊すこと。
だけどここで何も言わなかったら、私はきっと一生、目指す姿にはなれないだろうと思った。
彼に憧れる思いを口にできない人間が、彼のようになれるわけがない。
ーー『真面目っていうか……プライドの話かも』
そうだよ。結局はプライドの話だ。
私が目指す格好いい姿は五十嵐くんで、そんな私を認め格好いいと言ってくれた彼を守らない私なんか、格好悪くてとてもじゃないけど許せない。



