「あの髪といい、ピアスといい……我が校にそぐわない見た目だ。今日のような行事で彼が目立つと、他の生徒も影響を受けて素行が悪くならないか危惧している。君から彼に、いい加減容姿を正すよう言ってくれないか?」
……え。
言われたことがすぐに理解できなかった。容姿を、『正す』?
「去年までは彼に近づく生徒は君だけのようだったし、そこまで注意すべき人物ではないと思っていたんだが。なにより河名さん、君なら言わずとも彼の素行を注意してくれるのではないかと……」
「ちょ……ちょっと待ってください!」
慌てて口を挟むと、先輩はスッと口を閉じた。
だけどその目は、『何か文句があるのか?』と言っているように感じる。
私は先輩に言い返すのが少し怖かったけど、それ以上に黙っていられなかった。



