ハルとオオカミ



友達……続けてくれるつもりだったんだ。

五十嵐くんも、私と一緒にいて楽しいって思ってくれてたんだ。


嬉しくて、安心して、また涙が出てきた。

これで来週から、五十嵐くんが『おはよう』って言ってくれる日常が戻ってくる。


五十嵐くんと、彼のことが好きな私の新しい関係で。



「よっ、よかったあ~~……」



安堵のあまりボロボロと泣き始める私に、五十嵐くんがギョッとする。


たまたま通りがかった女子中学生たちが五十嵐くんに白い目を向けた。彼はあー……と困り果てた顔をすると、私の手を引いて歩き出した。


「飲みもん奢ってやるから、そこの公園で休憩しよ」

「……飲み物ならある……」

「……あ、そー」


五十嵐くんに連れられて、カラフルな遊具がある小さな公園に入った。


幼稚園生くらいの子供たちが砂場やブランコで楽しそうに遊ぶ声が聞こえてくる中、高校二年生の私は泣きべそをかきながらベンチに座った。