謎は流しておしまい~迷探偵とやめたい助手~(仮)


スマホをポケットに入れて
すぐ取り出せるようにスタンバイ。

しっかり畑山さんのペースに流されてるな私。

変にカリスマっぽいんだよね
探偵じゃなくて詐欺師の方が儲かるのではないかしら。

そんな事を想っていたら

なんと!
目の前にターゲットが現る!

いや本当に来たんだね。
本当に平日の昼間
5の付く日に浮気してたんだね。

きっと色んな意味で
真面目な人なんだろうなぁ

畑山さんの腕に抱かれて
妙に感心していると

「チャンスを逃しちゃいけないよ」
畑山さんが私の耳元でつぶやき
私はゴクリと生唾を飲んで
ポケットのスマホをこっそり取り出す。

手汗ヤバっ
緊張しちゃう。

ターゲットは手を繋ぎながら
キョロキョロこそこそ歩いてた。

やっぱ悪い事する時は、人間コソコソしちゃうんだろね。

ターゲットの男性は写真より若く見えた。
黒縁のメガネをかけていて
黒系のジャケットとベージュのパンツ。
ごくごく普通の30代の男性だけど
隣の女性は……派手だった。