謎は流しておしまい~迷探偵とやめたい助手~(仮)


「これに目を通してくれる?」
運転しながら
畑山さんは黒いファイルを私の膝の上にポンとのせる。

助手席でそれを開くと
真面目そうな男性の写真と、彼の最近の行動が書かれていた。

「奥さんからの依頼。ご主人が毎月5の付く日、昼前後に仕事を抜け出して女とホテルで会ってるという」

「不倫ですか?5の付く日に?」

イオンのお得デーか?
ポイント貯めてる?

「そうそう。証拠を押さえたくてね。杏ちゃんが来てくれたからスムーズに行動できる」

「どーゆー意味でしょう?」

「いや色々とね」

畑山さんは信号待ちでニヤリと笑って私を見た。

綺麗な顔が怖いです。

不安を打ち消すように男の写真をジッと見つめる私。

黒縁のメガネをかけてる男性は32歳。
奥さんの実家である建設会社の営業職。
奥さんの実家で同居。
マスオさん的な生活に不満でもあるのかなぁ。

真面目そうな人だけど
こんな人でも不倫するんだ
真面目だから5の付く日にホテルに行くの?
逆にバレてしまったか。

しかし

人間不信になりそうな仕事だね。