「探偵?」
小さな声が喉から出ると
男は満足そうにうなずき
私の頬から手を離して一歩下がる。
「身体は大人!心は子供の名探偵!」
堂々と言うけれど
いや
それ違う。
セリフ違う
てかパクリ。
「名探偵には危険がいっぱいで、ボディガードが必要と常に思っていた。どうかな?」
探偵の助手なんて
そんな仕事初めて聞いた。
探偵も初めて見るし
危ない
これは危なすぎる話
街で声かけられて
高いエステ器具を買わされるより危ないかも。
「遠慮します」
ベストアンサー。
はい
さようならで帰るつもりが
「時給をお知らせしましょう」
お金……お金問題。
そして男は
私の耳元で魔法の金額をつぶやいた
あぁ素晴らしい
素晴らしい時給。
高い
そんな高い金額は初めてだ。
感動で涙が出そう。
脳内で危険信号がガンガン鳴りまくるけど
「詳しいお話聞かせて下さい」
別の自分が男にそう言っていた。



