うあー・・・・・・やっべぇ。


可愛すぎるだろ・・・・・・。





「いい加減制服燃えるから」



そう言ってドライヤーのスイッチをカチリと切った。


「・・・・・・へ?」


呆気にとられた顔の晴。


「とっくに乾いてるよ。ほら」


こうやってずるい手を使う俺。


何もしてない。何事もなかった。そんな風を装って、ごまかす。


本当にずるい大人だよ。俺は。


「ったく。ボーッとしてるとあぶねーぞ。ヤケドしてからじゃ遅いんだからな」


「は・・・・・・はい」


ホッとした表情の晴に、俺は思わず笑みをこぼした。


・・・・・・なんか、そこまであからさまにホッとされるとちょっと意地悪をしたくなるよなー・・・・・・。




「で?和泉って呼んでくれるんだよね?」




晴は「!!」と目を見開いたあとパッと目線をそらした。


「何いってんですか・・・・・・」



うはーかわいい。


顔赤くしちゃってるよ。


「だってこっちは下の名前で呼んでんだから、下の名前じゃないとおかしいだろ?」


そう言って追い詰めると、さらに顔を赤くした。


・・・・・・俺のSっ気がおさまってくれない。



「ま、恥ずかしくて呼べないよな」



そう言いチラリと晴を見ると


バシ!


突然ドライヤーが飛んできた。


そして小さな声で




「・・・・・・和泉先生」




とポツリと聞こえた。


「・・・・・・って呼べばいいんでしょ!!」



悔しさなのか恥ずかしさなのか、晴は今にも泣きそうな真っ赤な顔でそう言い捨てた。




・・・・・・ほんとに、こいつは・・・・・・。





「はい。よくできました!」



晴の頭を力強く撫でた。




・・・・・・今はこっちを見ないでくれ、と願いながら。





俺の顔も・・・・・・可愛すぎる晴にやられて、赤く染まっているから。







・・・・・・あー、くっそ。