晴は自分でドライヤーを取りに行き、制服を乾かしはじめた。
それをボーッと眺める俺。
「意外と、そうゆうのできるんですね」
突然晴が口を開く。
そうゆうの?・・・・・・ああ、シミ取りのことか。
「こら、バカにしてんのか」
一人暮らし長いからな、そんなもん余裕なんだよ〜と自慢げに言ってみた。
・・・・・・我ながら切ないな。
案の定「早く結婚できるといいですねー」と言われてしまった。
「・・・・・・うるせぇ」
ぺし、と軽く叩いた。
そんなたわいない話をしていると、晴に
「なんで晴って呼ぶんですか?」
と聞かれた。
「えっ?晴って名前じゃねーの?」
「いやそうゆうことじゃなくて」
軽くボケたらツッこまれた。
うーん、なんでって言われてもなー・・・。
呼びたいから・・・・・・
じゃ、納得しないよな。
うーん・・・・・・と、答えを考えていると晴は俺を櫻田と呼ぶと言い始めた。
俺と対等でいたいらしい。
いや、一応俺と晴って先生と生徒なんだけど・・・・・・。
・・・よく分からんがほんとに変わったやつだなこいつ。
苦笑いをする俺。
「どんだけ負けず嫌いなんだよ」
「あ、けど周りに仲良いって思われたら嫌だな。やっぱりやめます」
やめるんかーい。
「・・・・・・それはそれで悲しいんだけど」
・・・・・・あ。対等?
対等ってことは・・・・・・。
『晴』と『櫻田』じゃだめだよな。
「じゃあなんて呼べばいいんですか?」
晴の問いに俺はニヤリと笑った。


