「あっがりましたよー・・・っと」
!!
うわっ・・・・・・!
俺は思わず目をそらし、なるべく平静を保ちつつ「おかえり」と返した。
晴はぶかぶかのTシャツに太ももがあらわになった短パンで、髪の毛からしたたる水滴が肌を伝っている。
石けんの香りが部屋にたちこめ、ほんのり赤くなった頬と唇。そして俺を見つめる瞳。
このなんとも絶妙に男心をくすぐりまくる姿に、俺の心臓は激しく脈打っていた。
俺なにやってんだ・・・・・・Tシャツは仕方ないにしろ、なんで短パンなんか出しちまったんだ・・・。
このままじゃ風邪ひく・・・・・・。
あ、けど・・・・・・この太ももが隠れるのはもったいないな・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・って俺は何言ってんだっ!!
あーうん。だめだ。一旦部屋から出て頭冷やそう。
俺は腰を上げた。
「すまん。ドライヤー洗面所にあるから取りに行けなかったんだわ。今から乾かすから」
たった今考えたそれっぽい理由。
さすが俺だ。頭の回転が早いぜ。
「なに起きてんですか。寝てなさい」
しかしそんな苦肉の策は晴によって防がれた。


