慌てて口を開いた。
「なん・・・・・・!今何時だ!?」
「まだ六時ですよ」
落ち着いて答える晴。
「お、おまえっ、帰りが遅いと親御さん心配するんじゃ・・・・・・」
「塾で自習してから帰るって言いました」
・・・・・・なんつー冷静な女子高生だ。
「そ・・・・・・そう、か」
ようやくスポーツドリンクをごきゅごきゅと飲み、落ち着いた。
今日は午前授業だったという晴に感謝を抱いていると、またいきなり謝られた。
「ごめんなさい」
「・・・・・・へ?」
なんで?
「具合悪かったのに、私がちょっかい出したり疲れさせるようなことしたから・・・・・・悪化しちゃったんですよね」
もしかしてさっきことを言ってるのか。
俺的には全然迷惑じゃなかったし、むしろ・・・・・・。
晴に会えたから、少し嬉しかった。
けどこいつには罪悪感を背負わせてしまったらしく、晴はしょんぼりとうつむいた。
俺は思わず頭を撫でた。
「何言ってんの。むしろお礼言いたいぐらいだよ。看病してくれてありがとな」
「でも・・・・・・」
「いいから」
やべ。つい頭触っちまった。
慌ててまたほっぺに切り替える。
・・・・・・切り替える意味ないよな、やっぱり。
まあいいか。
「俺は大丈夫。体調悪い時に一人って、けっこう心細いのよ」
風邪を引いた時、具合が悪い時。
一人の時の方が多かったから、晴がいてくれてよかったという気持ちは変わらない。
晴を安心させるためではなく、俺自身本当にそう思うから、言った。
「晴がいてくれてよかった」


