・・・・・・あ。しまった。
部屋着に着替えたところで喉が乾き家の冷蔵庫を開けたが、マヨネーズとしょう油しか入ってない。
うーん・・・・・・さすがにしょう油飲んだら死ぬだろうし・・・。
今の体調でマヨネーズなんか飲んだら確実に吐く。
かと言って水を飲むのも・・・。
つーか食いもんがなんもねぇ。
しかたなく俺は部屋着の上から上着を羽織り、コンビニまでフラフラと歩いていった。
そしてコンビニからの帰り道。
あと少しで家だと言うところで、誰かが後ろからついてきているのが分かった。
・・・もし強盗だったら、このまま家までついてきたら困るな・・・・・・。
角をさっと曲がり、自動販売機のそばに隠れた。
通り過ぎる人を見て、俺は安堵のため息をついた。
・・・・・・なんで晴がここにいるんだ。
後ろからそっと近づくと、晴はなにやら一人で騒いでいた。
「あっ、やば!垂れちゃう垂れちゃう!」
「なにがやばいんだ?」
「ぎゃああああああああああ!!!」
・・・・・・騒がしいやつだ。
ぼんやりした頭で晴と少し話していると、また熱が上がってきたような気がしてきた。
ああ・・・そういえば、あの日授業が終わったあと、髪触っちゃったんだよなぁ・・・・・・。
キレてるぽかったな・・・そりゃあ気持ち悪いか。
頭もガンガンしてきて、話を切り上げその場を立ち去ろうとした。
すると晴は追いかけてきて、なにやら申し訳なさそうな顔で謝ってくる。
無意識に俺はまた頭をなでようとしたが、ほっぺを引っ張る方に切り替えた。
ふぅ、危ない危ない。
これ以上嫌われたら困るからな。
・・・・・・あれ?
ほっぺを引っ張るのも気持ち悪いか・・・・・・?
ああ、もうなにも考えられなくなってきた。
自分でも何を言っているのか、なにをしてるのか分からなくなってきた。
このままじゃ本気で倒れそうだ。
「じゃ、また塾でなー」
なるべく平気そうなフリをして、晴の前から逃げた。
よし・・・・・・これで一安心だ。
晴の前でこんな情けない姿見せられねぇからな・・・・・・
あれ?体が動かねぇ。
目の前がチカチカした後、頭が真っ白になった。


