それから何日か経った後。



俺は見事に・・・・・・・・・・・・






「38度・・・・・・か。まじかよ」





熱を出していた。







しかし授業もあるし、どうしても休みたくない。


体のいたるところが痛むし頭はぼーっとする。


薬を飲み、仕事場へ行った。







「・・・・・・おはよーございます・・・」


見るからに具合の悪そうな俺を見て、真っ先に陽子先生が駆け寄ってきた。


「櫻田先生?大丈夫ですか?」


「すみません。ちょっと熱があるみたいで・・・・・・」


「まあ!それは大変じゃないですか!」


「薬飲んできたのですぐ下がりますよ」


心配そうな陽子先生を通り過ぎ、自分の席についた。




やっべぇ・・・・・・。ここくるまでに悪化したかも。



「・・・・・・真っ青ですよ?本当に大丈夫ですか?」


「・・・・・・大丈夫です・・・」






しかし、俺の予感は的中し昼頃にはさらに具合が悪くなっていた。


全身が熱い。ボーッとする。なにも考えられない。



「先生?櫻田先生?」



名前を呼ばれはっ!と目が覚める。


「なっ・・・・・・なんでしょう!?」


陽子先生が俺を見つめていた。


「もう結構ですから。今日は帰った方がいいですよ」


「・・・へ・・・?だ、大丈夫ですよ!」


「タクシー呼びますから。帰って寝てください」


「でも・・・・・・」




すると、陽子先生に肩をガシッとものすごい力で掴まれ、椅子に座らされた。


そしてギロりと睨まれこう言われた。





「生徒にうつったらどうすんだ。帰れって言ってんだから黙って帰ってください」





「・・・・・・はい」




そう。陽子先生は怒るとめちゃくちゃ怖い。


ぶっちゃけ俺も他の先生も陽子先生には頭が上がらない。



この塾の裏のボス的な存在だが生徒はそれを誰も知らない。



噂では、元ヤンなのではないかという・・・・・・。






そんな陽子先生のお陰で俺は家まで無事に帰ることができた。