ドクンと心臓が脈打った。



「俺の下の名前。いずみってゆーの」



「し・・・・・・知ってますよ。自己紹介でそう言ってましたよ」



「覚えててくれたんだ?」




な・・・・・・なぜわざわざ耳元で。



てゆうか耳はやばい。くすぐったい。





「・・・・・・晴」





耳に吐息がかかる。



え、え。なにこの状況。


これやばくない?


なんか変な気分に・・・・・・・・・・・・


・・・・・・いや!!ならない!!なるわけない!!



先生の顔が近づいてきた。


半径何センチ?それすら考えられないくらい頭が真っ白になった。


危険信号が鳴った。



えっ・・・・・・う、うそ・・・・・・!?



「あのっ、はなれ・・・・・・」



「いい加減制服燃えるから」




ドライヤーのスイッチを切られた。




「・・・・・・へ?」


「とっくに乾いてるよ。ほら」


見るとたしかに乾いていた。


「ったく。ボーッとしてるとあぶねーぞ。ヤケドしてからじゃ遅いんだからな」


「は・・・・・・はい」


・・・・・・なんだ。


ドライヤーか・・・・・・。


焦ったのに無駄だった。



・・・・・・ん?



いや、べつに焦ってないし!


平常心だったし!!!


こいつが紛らわしいことするから悪いんだ!!



すると先生はくすりと笑いこちらを見た。




「で?和泉って呼んでくれるんだよね?」




なっ・・・・・・。


「何いってんですか・・・・・・」


「だってこっちは下の名前で呼んでんだから、下の名前じゃないとおかしいだろ?」



たしかに対等がいいとは言ったけど・・・・・・!


ここぞとばかりにニヤニヤ笑うこの男。




「ま、恥ずかしくて呼べないよな・・・・・・」




「・・・・・・和泉先生」



バシッ!


ドライヤーを乱暴に渡した。


「・・・・・・って呼べばいいんでしょ!!」



プイッとそっぽを向いた。



「はい。よくできました!」



いつものように頭を撫でられた。



・・・・・・顔を上げたらだめだ。


絶対こいつ、ニヤニヤしながら私を見下ろしてる。




・・・・・・ほんっとむかつくーーー!!!