奈津は正直、まだ悩んでいそうだが
会ってみると決意してくれた。

夏生を日曜日に家へと呼んだ。
彼もまた、悩んでいた。
どんな風に奈津に接して良いのかを
悩んでいた。

でも私は信じていた。
2人はまぎれもなく血の繋がりの
ある親子なのだから、いつかきっと
分かりあえる。
確信にも似た自信が私にはある。

日曜日に、彼が我が家へ
やってきて奈津は初めて
担任だと思っていた人が父親だと知った。

奈津は最初こそ夏生を
責めたが、その後は理解して
くれたようだった。

やっとすべての真実を
奈津は知ることができた。

今すぐ私達は親子として
暮らすことはできない。
それだけ長い時間、ここまで
来るのにかかったのだから。