奈津が旅行から帰ってきて
その日に夏生のことを
話そうと思っていたが、
気持ち良さそうに寝てる奈津を
見ると、今日はやめておこうと
思った。

次の日に、奈津と朝食をとりながら
私は意を決して夏生のことを
話した。

奈津は自分の父親はもぅこの世には
いないと理解していたようだった。
なので、私達の真実は
受け入れがたいようだった。

なぜ、身重の私を父親が
捨てたのかと聞いてきた。
そしてなぜ私はその父親を
許せてしまうのかを
聞いてきた。

私は正直に言った。
私の人生の中で愛した人は
夏生1人だということを。

私は奈津が会いたいと思うまでは
夏生には会わせないことを
決めた。
そしてもちろん、結婚も
それまではしないことを
決めた。