セレンは、なんとも言いがたい表情で俺を見つめる。 「大切な人がいることすらも忘れちまうって言うのは、悲しいことだね」 すらりとした腕に、抱き寄せられる。 ああ、まるで母親のように。 「大丈夫」 大丈夫って…なにが大丈夫なんだよ。 …俺はもう…。 「見てごらん」 「……」 セレンの指は、Iを指していた。 Iは、フレアとネリスがじゃれているのをそばで見守っている。 「あの子に、翼が生えているだろう?」 「…見える」 綺麗だ。 今にも、羽ばたきそうな…まるで、天使のような。