「こらー!みなとー!遅刻するぞー!
早く起きんかー!」


うるっさい怒号とともに、俺の朝が来た。


中学3年生の夏。


外は、飽きもせずセミが泣きわめいてい


る。それに顔につーっと垂れてくる


生暖かい汗。


俺の部屋には、クーラーも扇風機もない。


窓は空いているものの、逆に熱風が


入り込んでくるものだから


今この部屋は、朝7時半にして


灼熱地獄と化していた。