この話は、まもなく大君の耳にも入り、すぐに宮内を調査させました。私の荷物が全て無くなっていることが判明すると、大君はたいそう御立腹なされ、私たち西宮の五人を中庭に引き摺り出し、死ぬまで笞打つよう命じられました。私たちは、既に死を覚悟していたので恐れることはありませんでした。ただ、最後に一言言い残したく思い、そのことを申し上げると、大君はお許しになり、同僚たちは私のために真心を込めて弁明をしてくれました。これに心を動かされた大君は、怒りを少し解かれ、四人は釈放され、私は別堂に閉じ込められました。その夜、私は絹の手巾で首を括りました。