つかみどころのない彼と離れて、1年と4ヶ月。
『卒業おめでとう』
『ああ』
『…いつこっちに戻ってこられるの?』
『さあ』
『連絡してよ』
『気が向いたら』
私に興味がないことなんて、ずっと前から分かってたのに。
海外に行ってしまう彼は、きっと私のことなんてすぐに忘れてしまうんだろう。
それでもやっぱり、淋しいなあ。
『かずくん…』
涙が止まらないのは許してほしかった。
かずくんは困ったように首をひねって、口を開いた。
『…七夕。』
『え?』
『待ってて』
待ってて。その一言がどれだけ嬉しかったことか。
その言葉を、信じて待った、2年の七夕。
かずくんは会いに来ることはなかった。