*神田くんと野崎さん
「お、みんな結構書いてるね」
帰ろうとしたところ、今日は神田がよりたいところがあるとか言って着いてきたのは、高校の中庭。
風に揺れてサラサラと音を立てる笹の葉に、色とりどりの短冊。
今日は七夕だ。
最近期末があったせいで忘れてた。
ていうか。
「神田がこういう行事に関心示すの珍しい。」
「まーね、冷やかし。」
「冷やかしかよ。」
何とも爽やかな笑顔でよく言うわ。
周りの女子が早速騒いでるよ。
しかもそれを気にせず短冊物色し始めるって。
一緒にいる私の身にもなれや。
何ともムカつくことに容姿は良い神田が、中身は非リア充の陰キャラだと知れたら大層面白いだろうに。
「あ、ね、野崎これ見て!」
「はいはい…ええと?」
『ともあきくんとずっと一緒にいられますように(ハート)』
さらに上に書かれた短冊を見る。
『↓当たり前だろ?飽きるまで一緒にいてやるよ』