「はは、驚いた顔。」

思いっきり、顔に煙を吹きかけられた。
さすがに我慢できずに咳き込んだけど、ちょっとでも無防備な顔をさらしたことに唇をかんだ。悔しい。


そんな僕を見て、彼女は優しく笑う。

そして。



「無理しなくていいんだよ。」


そう言って、僕を突き放す。

彼女は知っているのだ。
僕が感じている焦りにも、僕が彼女を自分のものにする覚悟がないことも。



彼女がくわえた3本目の煙草から、灰色の煙が立ち上る。

僕はそれを、顔をしかめて見ることしかできなかった。






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お久しぶりです(・ω・)ノ←
大人の女性に翻弄されてみたいと思う今日この頃。



H.29.5.29