あ、クラスの女子が話しかけに行きました。
このタイミングはまずいです。


「あの、早見くん」

だって、早見くんは。


「…あのさ、人が本を読んでるとき話しかけるとか常識ないの?
用件あるならメモでも書いて置いておいてくれる?」


あちゃー。
…もうなんていうか、こういう人なんです。

マイペースというか、自分の中で決めた行動を乱されるのをひどく嫌います。


…だから不思議なんです。
なんで私と付き合うなんて、言い出したのか。


クラスにブリザードが吹き荒れたところで、担任がやって来て、なんとか事なきを得ましたが、私のなかにはずっと?がぐるぐると回っています。




…彼とは元々、図書室でしか話したことがありませんでした。


静かな方が好きな私にとって、図書室は憩いの場。
それは、彼も同じだったようで。

見かけてはいたのですが、噂もあって話しかけるには至っていませんでした。



ところが、ある日。