「じゃーな、また面白いもん期待してる。」
悠然と教室を後にしたカズに残されたあたしは、首筋に手を当てる。
─あつい。
あたしはこれがある限り、あいつから逃れることはできない。
逃れようとも思えなくなっている。
不本意だ、こんな思い。
…こんな、寂しい思いは。
あいつの心は手に入らないのに、あたしの心はあいつに持っていかれる。
残ったあたしは、からっぽだ。
紅い印
(それが消える頃、また彼は彼女の心を奪いに来るのだろう。)
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ちょっとダーク系練習。
いつものふんわりより、ちょっと鋭利な感じを目指したんですけど…うん…難しい。
向き不向きってありますよね!←
H29.2.15