神田くんと野崎さん
何度目かわからない目覚ましで、ようやく体を起こす。
そして、目覚ましを掛け直して、ねrプルルルルルルル…
『お目覚めですか?眠り姫』
あれ?神田だ。しかも若干不機嫌な。
何なんだ休日に。
徐々に覚醒してきた頭でふと、思い出す。
「…いま、なんじ?」
『はっはっはっ、10時。』
電話をぶちぎり慌ててベッドから転げ落ちた。
「…は、ごめん、大遅刻、」
待ち合わせの場所につくと、案の定不機嫌そうな神田が待っていた。
「は~、ほんとバカ」
「ごめんなさい」
「―そうじゃなくて。」
イラついたように口を開いたと思ったら。
「え、」
「心配するでしょ、ってこと。」
気づいたら、神田の腕の中にいた。
どうしよう。これじゃあいつもと立場逆転。