神田くんと野崎さん。



もう12月。俺にはとにかく時間がない。


「クーリスマスが今年もやあてっくるー」


俺はどうしても、野崎とデートをしたい!
…と思って約1年半。

そろそろ、どんなにアプローチしても靡かないこの子を、落としたい。いや落とす。


「神田うるさい。」

「」

…なのにこの塩対応ですよ…神田泣いちゃう。


「野崎何見てるの」


「イルミネーション」


うおっふ…これは使えるのでは?
俺の頭のなかで計算が始まる。


「イルミネーションねー、場所どこなの」

「中心街にあるやつ」

「あー、あれか」

「そ」

「よし野崎、紳士な神田くんが連れていってやろう」

ここでいつものデコピンが来るのかと思いきや。

「え、マジで!?」

「お、おう」

近い近い。すごい形相だ。


「そんな気合い入るの?」

「だって!」