「なる……」 “成宮”そう声をかけようとした時。 「まーくん!!お待たせっ、少し時間かかっちゃったぁ」 下駄箱の方から、紅愛ちゃんが小走りで走ってくるのが見えた。 私の声は雨音によって、かき消される。 あぁ…なんだ。 彼女を待っていたんだ。 考えてみたら…当たり前だよね。 彼女いるのに独りとか、そんなはず無いのに。 成宮を傘に入れてあげなくて済んだ。 これで良かったはずなのに。 喜べない自分が居て、まるで曇みたいに心がモヤモヤしている。 なんで、こんなにも胸が苦しいんだろう。