あれから教室に戻って来た成宮と目が合ったものの、
私たちは一言も言葉を交わさなかった。
こうなって当たり前よね…。
成宮から逃げたのは私なんだから。
やっと解放されて清々したじゃない。
それなのに何故か心はスッキリしない。
最初から望んでいたことだというのに。
私は何に引っかかって、気になってるんだろう…。
「天音さん、ちょうど良かった!次の時間に使うチョークが足りなくなっちゃって…お願い出来ないかしら?」
教壇の前を通ると先生に声をかけられる。
「え、私…ですか?」
「ごめんなさいね…悪いんだけど、そこに積んである資料も一緒に職員室に届けて欲しいのよ」
後ろのロッカーの上に、30冊ほど重なった資料の山を指す先生。



