黒猫の香音(前編)

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「_…そんな事もあったね、確かに。」

「あの時から想い続ける事十年…時が経つのって早いものですね。」


染々昔の話をしながらカシスオレンジを口に運ぶ凪の目は酒の所為か潤んでいる様に見えた。


十年経った今は『water town』というオカマバーで働いており、その容姿のお陰で商売は繁盛しているようだ。


「相変わらず大胆な発言するよね、凪ちゃんて。」

そう言って『香音』は愛用している銀色の煙管をゆっくりと更かす。


そう言われ凪はふと哀しげに笑うとカシスオレンジを一口含む。


「先輩は…変わっちゃいましたね。」



香音の動きが止まる。