って、今はその事に喜びを感じる前にこの状況をどうするべきか考えなきゃ。 「動かずに誰か来てくれるの待ってた方がいいかな」 でももし、誰も助けに来てくれなかったら? わたしが迷ってることに気付いてくれる人がいなかったら。 わたしはずっと1人でここに居なきゃいけないのかな。 ガサガサ—— だ、誰かいる? 「……奈帆!」 「きゃぁああ……って、藤くん…?」 「何やってんだよ!」 あの時と、同じだ。 藤くんは泣きそうな顔でわたしを抱きしめた。