「明後日、数学小テストあるって分かってる?ちゃんとしないと罰与えるから」
「わたし、罰よりご褒美の方が欲しいんですが…」
「じゃあ、貰えるように頑張りなよ」
えっ、それって頑張ったらくれるってことだよね!?なんだよ、藤くん!優しい人か!
っていうか、くれるならもっと早く言ってよね。わたしだって、もっと頑張ったよ!
「満点とるから!よろしくね、藤くん」
「じゃあ、俺が満点取ったら俺にもご褒美頂戴ね」
「勿論ですとも!」
藤くんに何を買ってもらうかを考えてばかりで、適当に返事をした自分を殴りたい。
たかが数学の小テスト。藤くんが満点を取ることなんて当たり前なのに、わたしはそのことを見事に忘れていた。明後日、この発言を後悔することになるとは思いもしてなかった。

