【完】俺のこと、好きでしょ？

藤くんがこんなに警戒心なく寝ているってことが嬉しかった。

ベッドのそばに座り、藤くんの寝顔を静かに盗み見る。きっと、学校にいる藤くんファンが見たくても見ることが出来ない寝顔をわたしは今独り占めできてるんだ。


寝顔まで綺麗とか罪な人だ。


「…藤くんは、わたしのことどう思ってる？」

小さく出た言葉に、自分自身がはっとした。

寝ててよかった……。

そんなこと聞かなくても分かってるのに。

『…迷惑』

あの日の藤くんの言葉が、聞こえた気がした。