「あの子、1年の時から柊真くんと仲良くて狙ってるって噂だよ」 「そうなんだ」 「いいの?柊真くん取られちゃうかもよ?」 「取られちゃうもなにも、藤くんはわたしのものじゃない。それに、人はものなんかじゃないよ」 愛子は急に静かになって、少し何かを考えたあと 「素直にならないと、後悔するのは奈帆なんだからね」 そう言って、自分の席へと戻っていった。 ……仕方ないじゃん。 藤くんを、好きになりたくないんだから。