「思ったんだけどさ、藤くんがモテるのはみんな裏の顔を知らないからだよね」


週の真ん中の水曜日、藤くんに英語を教えてもらってる時にふと思ったことを口に出してしまったことを後悔したのは

「は?」

隣から聞こえてきた地を這うような低い声が聞こえてきた時。


「そんなこと考える暇があったら早く問題解けよ」

「だって、読めないんだもん……」

「読めないからって余計なこと考えていい理由にはならないと思うけど」

最もだ。最も過ぎて何も言い返せない。