「あ、あんまりドキドキさせないで」 「ドキドキしてるの?」 「そりゃ…するでしょ。な、なんか藤くん近いっ」 机を二つ向かい合うようにくつっけて、座っていたわたし達。 藤くんはわたしの机の方に手を置いて、顔を覗き込むように見てきた。 「少し顔、赤くなってる」 「———っ!」 「ふっ、ご飯食べよ」 笑った後、藤くんは何もなくなかったように、お弁当を食べ始めた。 ……胸がいっぱいで、ご飯が喉通らないよ。