「もー、かっこいい!」

「そう?普通だよ。どこにでもいる」

「それ、あの人達の前で言える?」

「言えるわけないじゃん。言ったその瞬間から学校で生活出来なくなる…」


わたし、桃里奈帆(ももざと なほ)と高校からの友達である、園田愛子(そのだ あいこ)が話している人——


「柊真くんのことそんな風に言うの、奈帆だけだから!」

それは、秀才かつイケメンである藤柊真(ふじ とうま)のこと。


175cm以上ある長身に、爽やかな黒髪はいつも綺麗に整えられている。彼のことをほっとく女の子なんていなくて、いつも周りには女の子がいる。