自分のせいで彼女から笑顔を奪ったことが悲しくて、自分が女子の誰かと特別仲よくすればその子が危険な目にあってしまうことを知った。 その日から怖くて、彼女と今までと同じように接することが出来なくなった。 そんな時だった—— 奈帆から告白されたのは。 卒業式の少し前に奈帆に放課後、教室に残って欲しいと言われた時、期待せずにはいられなかった。 「好きです、藤くんのことが」 夕日によってオレンジ色に染まる静かな教室で、俺の元に届いた奈帆の言葉。 嬉しかった。本当に、嬉しかったんだ。