「明日、何食べるの?」
「決めてないけど、食べたいものある?」
「わたしは、特にないかな。っていうか、藤くんのご褒美なんだから藤くんが食べたいとこ行こうよ」
「じゃあ、高級焼肉店」
聞こえなかったことにして、無視だよ。無視。
そんな意地悪なこと言う人に、明日ご馳走しないといけないなんて。悲しいです。
「冗談だから。顔酷すぎ。まぁ、明日の気分で決めるわ」
聞きましたか!?
“顔酷すぎ”
だって!本当に失礼だ。ピュアなんですよ、なんでも信じちゃうの!藤くんみたいに、人を疑いながら生きてないからね、わたしは。
「ピュアというよりバカ。あと、俺は人を疑いながら生きてはない。勝手なこと言うな。心の声がダダ漏れなんだよ」
悔しい。なんかもう、藤くんに勝てる気がしない。勝とうとか思ったことあんまりないけど、勝てる気がしない。

